検証比較走行動画ありの記事です!
レイアウト設計で悩ましい問題のひとつ、ポイントレールを連続で繋ぐ事による電圧降下問題・・・。
鉄道模型の走行をを楽しむ為には基本的に線路が必要で、線路を固定しない「お座敷レイアウト」と線路を固定する「固定式レイアウト」に大きく分けられます。他には「分割式レイアウト」も存在します。
「お座敷レイアウト」の利点は線路を自由に組める事で、レイアウトの自由度が高く、線路も必要に応じて買い足せます。そして、片付けると場所もそれ程必要としない事でしょう。欠点は、レイアウトを組む/片付ける事が面倒、線路の接続部が緩んでくる事です。
「固定式レイアウト」の利点は、レイアウトを組む/片付ける事が必要なく、すぐに列車を走行させる事が出来る、線路の接続部が緩まない、情景を作り込む事が出来る事でしょう。欠点はレイアウト変更が行ないにくい、それなりの場所を必要とする事です。
今回のポイントレールの電圧降下は、固定式レイアウトでは悩ましい問題となります。
鉄道模型は線路から電気を貰って走行します。従って、レイアウト上の線路に電気を流す為に、フィーダーと呼ばれる部品を線路に接続するのですが、レイアウトが1周するエンドレスループの場合は、フィーダーを1箇所に接続すれば良い事になります。
ところが、1周が長いレイアウトでは、フィーダーから遠くなる場所で電圧が下がってきて列車の走行速度が遅くなります。これを解消する為には補助のフィーダーを追加し、レイアウト全体で列車の速度がほぼ一定になるように調整します。レイアウトを単純な円形状だとすると、12時にフィーダーを接続すると、6時の場所が最も電圧降下しますが、ここで速度が遅くならないようであれば、フィーダーの追加は不要です。列車の速度が落ちるようであれば、6時にフィーダーを追加。それでも解消しなければ、12時、4時、8時と3箇所、さらに12時、3時、6時、9時・・・というようにフィーダーを追加します。
このような電圧降下は、鉄道模型ブランドのTOMIXさんから積極的にアナウンスされていないため、当方も最初にレイアウトを組んだ時は気づきませんでした。
当方レイアウト上のダブルクロスオーバーポイント(両渡り線)は、線路の真ん中で電気的に切断されている為、レイアウトが1周エンドレスでも電気的には非エンドレスです。
従って、フィーダーをダブルクロスオーバーポイントの側に接続すると、この付近で列車の速度が変わってしまいます。フィーダー1つでこの問題を回避する為には、ダブルクロスオーバーポイントから最も遠い場所にフィーダーを接続すれば良い事になりますが、当方はダブルクロスオーバーポイントの側にフィーダーを接続しました。ダブルクロスオーバーポイントにカーブポイントを繋いでいる箇所はフィーダーの取り付け口が無く、力技で接続しています。
ダブルクロスオーバーポイントの両側にフィーダーを力技で設けた理由は、ポイントレール(分岐線路)上で発生する電圧降下がとても大きいからです。
TOMIXさんのポイントレールは分岐された方向のみ電気が流れる「選択式」ですが、内部で電気の流れを変える部品の抵抗は結構あるようで、さらに部品の劣化で抵抗が大きくなってくる事があります。
電圧降下を意識せずに組んだレイアウトの為、ヤード(留置線)にポイントレールが多段的に使われております。このヤードは行き止まりでエンドレスではない為、電気の供給は根元のポイントレールひとつに頼る事になり、そのポイントレールが大きな電圧降下を発生させると列車の速度が著しく落ち、場合によっては停車してしまいます。
鉄道模型のポイントレール電圧降下対策メンテナンス…その効果は!?
YouTubeさんで視聴
動画前半ではポイントレールを通過するごとに列車の速度が変化しており、列車が停車してしまう事もあります(線路へは一定の電圧、直流4.0Vを流しています)。
そこで、ポイントレールを分解、内部をクリーニングしてみる事にしました。固定式レイアウトからポイントレールを外すのは、かなり億劫なのですが、ここまで話題に取り上げましたので、このまま履行いたしました。
動画後半は、ポイントレール内部をクリーニング後、同じ条件(同じ電圧)で走行させています。列車の速度に明らかな違いが見られ、クリーニング効果はあったと言えます。しかし、いつまでこの状態が続いてくれるのかは分かりません。定期的にクリーニングが必要だとすると、なかなか手間が掛かりますね。
この茶色のポイントレールは現在、販売終了しており、後継品は灰色のポイントレールですので、故障して買い替えると、茶色から灰色へと変わってしまいます(当方のレイアウトで所々線路の色が異なっているのはその影響です)。
私は列車好きですが、線路はそれほど好きではございません(苦笑)。しかし、列車を支える線路も末永く大切に扱ってまいりたいと思います♪
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